忍者ブログ

英語 Q and A

このブログは英語学習に関するさまざま質問とそれに対する私独自の回答を収めるために開設されたものです。 英語に関する悩みを少しでも減らし、実りある学修を続けていきましょう。 タイトルをクリックすれば閲覧できます。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Listening 全般

Q.1 「〇〇ラーニング」などの聞き流し教材は Listening 学習に効果はあるのでしょうか?
Q.2 listening がとても苦手です。どうしたらよいでしょうか?
Q.3 洋楽はリスニングの勉強(練習)になるのでしょうか?
Q.4 リスニングサンプルの探し方を教えてください
Q.5「英語初級者」を脱するためにはどのくらいのスピードで聞けるようになれば良いのですか?
Q.6 リスニングを練習するうえで、英文は見ながらのほうが良いですか?
Q.7 最近プレゼン系の動画をよく見ています。効果はあるのでしょうか?
Q.8 シャドーイング以外で何かおすすめの listening 練習法はありますか?

拍手[1回]


Q.1 「〇〇ラーニング」などの聞き流し教材は Listening 学習に効果はあるのでしょうか?
これまでの研究を見てみますと、聞き流すだけではあまり効果がないというデータのほうが多いようですね。
単に聞き流すだけでは速いところは聞き取れないままですし、意味も取れません。それではあまり(というか、ほとんど)意味がありませんよね。
昨今の「聞き流し教材」は英語の後に日本語(またはその逆)が流れたりするので、純粋に「単に聞き流している」というわけではないでしょうから、そういった意味では一定の効果があるかもしれません。

しかし、何と言っているのかわからない状態で繰り返し聞くより、何と言っているのかわかっている状態で繰り返し聞いたほうが学習効果が高いことが多くの実験からわかっています。
たとえば、音声の台本(何と言っているか書いてあるもの)を見ながら聞くという方法は効果的といえるでしょう。

私なりの結論を申し上げますと、

「聞き流す」のはラクだが、効果が出るまでに時間がかかるし、どこまで高い効果があるかは未だ不明。「ちゃんと聞く」のは大変だが、学習効果は高く、その成果も割と早く出る

となります。
何事もそうだと思いますが、「緩やかな坂ほど頂上まで遠く」、「急な坂ほど頂上まで近い」ということでしょう。

(一時有名になった「スピードラーニング」は販売を終了したようです。詳しい事情は知りませんが、効果がなかったために顧客が離れていってしまったのかもしれませんね。やはり「英語学習にうまい話はない」ということでしょう。みなさんはそういったうまい話には釣られないようにしましょう)



Q.2 listening がとても苦手です。どうしたらよいでしょうか?
Listening と一言でいっても、実は大きく2つの行程を踏む必要があり、そのどちらかが欠けていても〈Listening が出来ない〉という状態になってしまいます。

①第一行程:音声が聴きとれているか
②第二行程:聴きとれた音声を素早く理解できているか

英語初級者は①の行程につまづき、「Listening が出来ない」という状態になっているケースがほとんどです。
「音声を聞いて、以下の問に答えよ」式の問題集などを使って練習する人も多いかと思いますが、実はそういった問題を解くには①と②の2つの条件を満たさないと解答できません。

そして、①をできずして②はすることはできません。
両者の能力を同時に鍛えることも可能ですが、「二兎を追うものは一兎も得ず」状態になっては元も子もありませんので、①で止まっている人は、まずは①の能力を鍛え、その後に②の能力を鍛えるのが良いでしょう。

①を鍛えるには以下の方法をお試しください。
  1. 台本を見ながらで良いので、音声を何度も聞く
  2. 速いと感じたところや読む(発音する)のが難しいと感じたところは、その音声を見本に何度も発音練習をする
  3. そしてまた聞く(この段階は、聞き流しでもOK)

次に、②の能力です。
②の能力は Reading とも密接に関係しています。
Listening も Reading も受容能力ですから、あるものを読んで素早く理解できる能力はそのまま②の能力を鍛えることになります

ただし、Reading をゆっくり時間をかけてやっていては素早く読んで理解できる能力はなかなか身につきません。ましてや「戻し読み」をしていては、②の能力は(絶対に)鍛えられません。
ある検証によれば、速読力が高い人は Listening 力も高い、もしくは、すぐに Listening 力が上がるとのことです。
堅苦しい内容でなければ、英語を読んで訳さずにそのまま理解できるぐらいのスピードを目指しましょう。そうすれば、少しずつではありますが、②の能力を鍛えることができます。

ちなみに、いわゆる4技能において、人からの指導を最も必要としないのが Listening であり、ネイティブスピーカーが最も教えるのが苦手なのが Listening です。みなさんも外国の方に「日本語はどうやったら聞けるようになりますか?」と尋ねられても、答えに困りますよね。
Listening 能力の向上は結局のところ、どれだけ聞く機会を持てたかという「量」どれだけ意識して聞こうとしたかという「質」にかかっています。
Listening は音源と台本さえあれば、完全にひとりでできます。これはほかの技能との決定的な違いです。

そして最後に、試験などで緊張してしまって本来の能力が発揮できないことはよくあります。その対処法の1つが本来の能力をさらに上げておくということです。
変な例えですが、120キロの球しか投げられない人は110キロの球を投げるのにもそれなりに力を込めるでしょうが、140キロの球を投げられる人であれば簡単に110キロを投げられることでしょう。当然、一発勝負であっても緊張しないはずです。

かつてわたしは中学2年生のときの中間テストでリスニング問題を全問外したことがありますが、今であれば中学2年生の音声はかなり遅く聞こえます。まったく緊張もしません。
「テスト」「試験」という ‘空間‘ は緊張するかもしれませんが、自身の能力を上げておけば緊張はある程度緩和されます。
緊張は誰だってしますし、本来の力が発揮できないこともよくあります。だったら、仮に緊張しても、仮に本来の力が発揮できなくても大丈夫な力をそれまでに身につけておくのが良いでしょうね。



Q.3 洋楽はリスニングの勉強(練習)になるのでしょうか?
ならないことはありませんが、洋楽の場合、聞くことよりもそれを歌うことのほうが重要のようです。
歌の場合、それ相応のテンポで英語を歌わなければ(話さなければ)いけませんので、音読の練習になります。その早く読める能力というのは「聴く」能力とも連動しているので、一石二鳥の効果があります。
ただし、歌は、文章が特殊であったり(意味が取れなかったり)、特殊な発音をしたりすることがありますので、その点には注意しなければいけません。
よって、読解のためには歌はあまり効果がないとされます。



Q.4 リスニングサンプルの探し方を教えてください
インターネットを利用するのが良いと思います。そのほかにも、スマートフォンのアプリを使う方法もあります。
現在ではたくさんその手のサイトやアプリがあるので、個別的にそれをお伝えするのは難しいですが、「リスニング 練習」や「リスニング 音源」なので検索をかけてみてはいかがでしょうか。



Q.5 「英語初級者」を脱するためにはどのくらいのスピードで聞けるようになれば良いのですか?
なかなか正確な回答をすることが難しいご質問ですが、1つ興味深い調査をご紹介します。
すぐ上でも回答したように、「聞く力」は速読力と連動します

たとえば、英語のセンター試験を余裕をもって読むには 120wpm の速さが必要といわれています。wpm とは1分間に読める語数のことです。よって、120wpm とは1分間に120語読めるほどの速さということです。

いわゆる偏差値50を少し超えるぐらいの生徒を対象に検証を行なったところ、約70 wpm だったそうです。偏差値60ぐらいの生徒は約100 wmp でした。
このことからわかるように、日本の高校生は概して読むスピードが遅いことがわかります。
ちなみに、英語母語話者はゆっくり読んでも 200 wpm で、サッと読む場合では早い人で 500-600 wpm ぐらいの速さで読めるようです。

仮に、目で読む速度と耳で‘読む’速度は同じ程度でなければいけないと仮定した場合、すでに速読力に問題があることがわかります。

センター試験を解けることイコール「英語初級者」というわけではないので、上のデータはあくまで参考ですが、個人的には 100 wpm を安定して聞けるようになれば、「英語初級者は脱した」といっても良いレベルかと思います。



Q.6 リスニングを練習するうえで、英文は見ながらのほうが良いですか?
Q.7 最近プレゼン系の動画をよく見ています。効果はあるのでしょうか?
関連する質問であったので、一緒にお答えします。
すでにどこかでご説明したように、英語初級者であれば、まずは「聞く」能力を優先して鍛えたほうが良いです。
英文(台本)を見ながら聞くのも効果がありますし、聞く能力を鍛えるだけであれば日本語訳も不要です(むしろ、日本語があるとそちらに意識がつられて、聞く意識が下がるという報告もあります)。

ただし、いかなる能力にせよ、その力を向上させるためにはある程度の負荷が必要です。

最初から見ながら聞くのでは負荷がかかりませんので、最初は英文を見ないで聞き、そのあとに何という英文だったのかを見ながら再度聞くのが良いと思います。

やや抽象的な言い方をしますと、「聴ける」だけでは「聞ける」ようにはなりません。
ここでいう「聞ける」とは、聴いた音声を瞬時に理解できることを指します。
そして、聴いた音声を瞬時に理解できるようになるためには速読力が必要です。要するに、見た英語を瞬時に理解できる能力です。

母語の場合、前者から後者の能力を鍛えるとされますが、外国語の場合(少なくとも思春期以降に外国語を学習し始めた場合)、後者から前者を鍛えるほうが効果的とされています。
そして、速読力を鍛えるためには、丁寧に英語を読むのではなく、ある種 ‘雑に’ 英語を読むことが必要です。「サッと英語を読む」といえば良いでしょうか。
いわゆる戻し読みとよばれる方法を英語の読解で使用している学習者は、リスニング能力が乏しいというデータもあります。

まとめますと、「聞ける」ようになりたいのであれば、①「聴ける」ようになることと②素早く理解できるようになること(速読力を付けること)に尽きるというわけです。



Q. 8 シャドーイング以外で何かおすすめの listening 練習法はありますか?
「リピーティング(repeating)」をおすすめします。
リピーティングとは、音声が流れ終わった後にその音声をまねて読む練習方法です。

よく言われているように、発音がよくなると耳もよくなります。まず手始めとして、「聞いた音を声に出してまねる」を5回程度行なってみるのが良いでしょう。

ただし、ここで注意してほしいのが、1単語に対する発音よりも、複数の連続した単語、あるいは文全体の発音を向上させるよう意識することです。

Can I have a water? を例にとれば、can と I と have をバラバラに発音練習しても意味がありません。これらをまとめて「キャナイハブ」と発音しなければいけません。
むしろ、この文は最後の water まですべて1つのまとまりのように発音されます(「キャナイハバウォラ」)。
よって、シャドーイングにしろ、リピーティングにしろ、単語と単語の結びつき、言うなれば ‘連動性’ を意識して練習するのが良いと思います。

リピーティングは言わば、シャドーイングに「補助輪」を付けたようなものです。なので、いきなりシャドーイングをやるよりも、リピーティングを十分に行なってからシャドーイングを行なったほうが音声にかなりついていけるようになります。
最終目標は音声台本も見ずに初耳の音声をシャドーイングすることかもしれませんが、まずは補助輪があっても良いので、少しずつリスニング力を伸ばしていくのが良いでしょうね。



--------------------------------
「Speaking 全般」はこちら
「Reading 全般」はこちら
「Writing 全般」はこちら


PR
Copyright ©  -- 英語 Q and A --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]