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英語 Q and A

このブログは英語学習に関するさまざま質問とそれに対する私独自の回答を収めるために開設されたものです。 英語に関する悩みを少しでも減らし、実りある学修を続けていきましょう。 タイトルをクリックすれば閲覧できます。

   

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Reading 全般

Q.1 一文のみだとわかるのに、長文になるとわからなくなることがあります。どうしたら良いでしょうか?
Q.2 長文を読むとき、わからない単語が何個かあった場合、まずわからない単語をすべて調べてから、長文を読解した方が良いですか?
Q.3 きちんと英文を訳そうとすると詰まってしまうことがあります。どういった点を意識したらうまく訳せるようになりますか?
Q.4 和訳のときに、予測して解いてみることにしているのですが、意味が同じで、ニュアンスが違うだけでのときは、修正した方が良いですか?
Q.5 どうしたら意訳ができるようになりますか?
Q.6 英語を正しく読めるようになるために意識する点(コツ)とかはありますか?

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Q.1 一文のみだとわかるのに、長文になるとわからなくなることがあります。どうしたら良いでしょうか?
英文読解については「長文読解について」にて回答していますので、まずはそちらをご覧ください。

「長文が苦手」とのことですが、たとえ苦手であっても、中学1, 2年生レベルの英語は読めるのではないでしょうか。それがだんだんと難しくなり、高校生・社会人レベルの英語になると読めなくなってしまっているのだと思います。

であれば、「基本的には読めるけど、たまに読めなくなる」ぐらいのものを扱うのが良いです。

ある研究によれば、知らない単語が 5% を超えると読めないという印象を受け、10% を超えると強いストレスを感じるとされています。
5% ということは、1/20 個、すなわち 20 語中 1-2 語、わからない語があるということです。
この以上の割合でわからない単語が出てくる文章は、自分にとっては少しレベルが高いと判断して良いでしょう。
上記の指標を1つの参考として自分のレベルをチェックしてみると良いと思います。


また、大きめの書店の英語コーナーには、レベル分けされた Graded Reader と呼ばれるリーディング教材があります。興味がある方はぜひ手に取ってみてください。かなり低いレベルからかなり高いレベルまで用意されています。



Q.2 長文を読むとき、わからない単語が何個かあった場合、まずわからない単語をすべて調べてから長文を読解した方が良いですか?
そのわからない単語の意味があまり頻繁に出てこないと予想される(たとえば、地名や専門用語)であれば、事前にすべて調べて始めるのは良いでしょう。
一方で、今後もお目にかかるかもしれない単語や複数の意味が出てきそうな単語の場合、事前に調べたところでどの意味が対応するのかがわからないため、結局は長文を読解している際に、再度調べ直しが必要になります

紙の辞書はこういった場合に非常に便利で、ペンか何かを該当ページに挟んでおけば、すぐさまその単語を調べ直すことができます。最大5か所ぐらいは、ペンを挟み込んでおくことができるでしょう。



Q.3 きちんと英文を訳そうとすると詰まってしまうことがあります。どういった点を意識したらうまく訳せるようになりますか?
断言するのは難しいですが、一つのアドバイスとして、
英文を訳す際、【直訳】と【意訳】の両方を常に意識すると良いと思います。
ただし、He likes dog.(彼は犬好きです)のように、【直訳】だけで済んでしまう場合は【意訳】の必要はありません

【直訳】と【意訳】の両方が必要となるのは、たとえば、次のような場合です。

(a)This road takes you to the station.
①この道があなたを駅まで連れていく。【直訳】
②この道を(歩いて)行けば、駅にいけるよ。【意訳】

英語をそのまま読み取れば①のような訳になりますが、これでは明らかに違和感のある日本語なので、日本語として自然(適切)で、かつ、英語の意味を正確にとった②のような訳も必要です。
訳の発表をする場合は②が良いかとは思いますが、英語を自然体で読めるようになるためには①が必要です。
なぜなら、英語ではそう書いてあるからです。

日本語として自然(適切)ということは、ある意味それは英語からは離れていることを意味します。
英語の感覚を掴むには、①のようなぎこちない(明らかに変な)日本語もまた必要です。
よって、まずは①と②を横断的に(行ったり来たりしながら)繰り返すのが良いと思います。



Q.4 和訳のときに、予測して解いてみることにしているのですが、意味が同じで、ニュアンスが違うだけでのときは、修正した方が良いですか?
大意が同じであれば、せっかく作った訳を消す必要はないでしょう。
ただ、微妙な違いが日本語訳として現れている場合もありますので、ご自身で作成した訳の近くに(たとえば、下に)、提示された訳「も」書いておくのが良いと思います。
どんな形であれ、残しておけば確認は後でできますからね。



Q.5 どうしたら意訳ができるようになりますか?
意訳するためには、そこに書かれている英文の意味を深く理解していることはもちろんのこと、訳する言語、すなわち日本語力(特に、語彙力)も大きく関わってきます。
この両者がバランスよく整っていると意訳もスムーズにできるようになります。

ただし、意訳から行なうことは事実上不可能ですから、まずは「直訳」を
行なう、その後に「意訳」をするのが良いです。

以下、例を挙げます。たとえば、次の英文はどう訳すのが良いでしょうか。


①The doctor's quick arrival and careful examination brought about her very speedy recovery.
※ arrival「到着」、examination「診察」、brought about (bring about)「もたらした」、recovery「回復」

ここの examination を「試験」と取ってしまうと明らかに意味が合いません。これが上で回答した「複数の意味を持つ単語」のことです。やはり、読んでみないとどの意味で取れば良いかは判断しづらいですね。

話を戻して、上記の英文を「直訳」すると、

(a)その医者の素早い到着と注意深い診察が彼女のとても早い回復をもたらした。

となります。しかし、これも明らかに違和感のある日本語です。

『意味がなんとなく取れるし、別に良いのでは?』と思われるかもしれませんが、上記のようなぎこちない日本語訳を続けていると、「意味が取れない日本語」と出会った場合に対処ができなくなります。

上記の日本語(英語)には「到着」、「診察」、「回復」と複数の名詞が出てきますが、日本語において名詞の表現はあまりなじみがありません。
そこで次のような工夫をします。

【名詞表現は動詞表現に変えてみる】

そうしますと、上記の日本語訳は次のように改善されます(動詞表現に変えるに際して、日本語の細かい部分も一緒に変えます)。

(b)医者が素早く到着した。そして、注意深く診察したことで彼女はとても早く回復した

こうするだけで、ずっと日本語らしくなってきます。

では次の英文はどう訳しましょう。


②On my entrance into the room, the students stopped chattering.
※chattering(chatter)「おしゃべり」

この文を「直訳」してみますと、

(c)その部屋の私の入り口で、生徒たちはおしゃべりをやめた。

んー、日本語も変ですが、意味も取れませんね。特に、前半部分が明らかにおかしな日本語です(私の入り口?私専用の入り口ということ??)。

①のときはぎこちない日本語でも意味は取れましたが、この②の場合では意味が取れません。
したがって、①と②を同列に扱ってはいけないわけです。
しかし、Reading ができないという多くの人がこの極めて重要な点を疎かにしています。

(c)のような明らかに変な日本語の訳のまま放置し、段々と英語が読めなくなってきます。
この状態は早急に改善する必要があります

実は②が明らかに変な日本語訳になってしまう原因は「単語の事前調べ」にあります。
'わからない単語は事前に調べる' という習慣はとても大事なのですが、それが常に当てはまるわけではないということは知っておく必要があります。その典型例が②になります。

ここでのひっかけは entrance にあります。
entrance は日本語でも「エントランス」といい、非常に聞き慣れているので、「入口」以外の意味が通常思い浮かびません。

しかしここで思い出してほしいのが【名詞表現は動詞表現に変えてみる】です。
entrance は enter の名詞形です。したがって、entrance(入口)を enter(入る)のように変えてみるだけで、グッとわかりやすい日本語になります。

(d)その部屋に私が入ると、生徒たちはおしゃべりをやめた。
※my も「私」ではなく「私」に修正

どうでしょう。わかりやすくなりましたか?

長くなった次いでにもう少し続けますが、(d)のように訳せたら及第点はクリアしたといえますが、決してゴールではありません。
なぜなら場面や状況(情景)も読んでこそ真の読解であり、それが出来ているかの確認も必要だからです。
なぜ「私」なる人が入ると、生徒たちはおしゃべりをやめなければいけなかったのでしょうか。
それを読み込んでこその読解です。

たとえば、【学校】を想定してみましょう。

先生である「私」が教室に入るということは授業が始まることを意味するので、生徒は(当然)おしゃべりをやめなければいけない。
いや、先生が入ってきた程度では普通おしゃべりは続くだろうから、ここでの「私」はとても怖い先生なのかもしれません(私語をしていると怒鳴られるとか)。

担任の先生が急病で休むことになり、代理として「私」が教室に行くことになった。いつもと違う先生が入ってきたので、『あれ?なんで〇〇先生じゃないの?(おまえ誰??)』といった不穏な空気が流れ、おしゃべりをやめた、という可能性もあります。

前後の文章がないので正確な把握はできませんが、本来は文章中に②があるでしょうから、しっかりと文脈とともに理解すれば正確な情景が把握できることでしょう。

以上は一つ、二つの例ですが、しっかりと読解をすることで、自然な訳、すなわち「意訳」も自ずと出来てきます。
なお、私は「意訳」より「適訳」(適切な日本語に訳す)と呼ぶほうが正確だと思っています。



Q.6 英語を正しく読めるようになるために意識する点(コツ)とかはありますか?
英語を読むときに主として大切なのは、以下の4つです。

①単語・連語の意味
②品詞・文法の働き
③状況・場面の想像
④比喩・慣用表現の理解


①は、出てきている単語や連語(take off のように2語以上を一まとまりとみなす語句)の意味を正しく取れているかという点です。

わからない単語は辞書で調べるわけですが、実は②を考えないと正しい意味には辿りつけないことがあります

たとえば、次の例をみてください。


(a)I bought a new book.
(b)I need to book a restaurant.

(a)と(b)ともに book という単語が使われていますが、(a)の book は名詞なので「本」、(b)の book は動詞なので「を予約する」の意味でとります。

次の例も同様です。

(c)He is still but a child.

ここでの but を「しかし」でとると、「彼はまだしかし子どもです」と明らかに変な日本語になります。
ここでの but は「接続詞」ではなく「副詞」なので、辞書で調べる際は、接続詞の項目には目もくれず、副詞の項目を探す必要があります((c)の意味が気になる人は but の「副詞」を調べてみよう)。

③は、その文が発せられた状況・場面を想像するということです。
1つ上の回答もこれにあたります。

たとえば、次の文をみてください。

(d)One fine day, he was walking home along the beach when he noticed a small group of children.

学校では、A when B. の場合、「B のとき A」のように、B の節から訳すように習います。
これは決して間違いではありませんが、その通り(d)を訳すと、次のようになります。

(e)ある晴れた日、彼は子供たちの集団に気づいたとき(=B)、海岸を通って家に帰ろうとしていた(=A)。

しかし、この日本語訳はどこかおかしいです。むしろ、B と A の順番を反対にしたほうが常識的に考えて適切な気がします。

(f)ある晴れた日、海岸を通って家に帰ろうとしていたとき(=A)、彼は子供たちの集団に気がついた(=B)。

『でも勝手に訳す順番を変えて良いの?』と疑問に思うかもしれませんが、疑問に思ったときこそ活用するのが「文法書」ないしは「辞書」です。
学習していた気になった単語(品詞・文法)はそのままにするのではなく、調べてみるのが良いです。思わぬ発見がありますよ。
実際、(d)は「B のとき A」のようにひっくり返して訳すタイプではなく、語順通り「A のとき B」と訳すタイプの when です。

④の「比喩・慣用表現の理解」は、たとえば、次のような場合です。

(g)We've come here to our nation's capital to cash a check.
  (我々は、小切手を現金に換えるために我が国の首都に来た)

これはキング牧師の有名な演説の一部ですが、キング牧師は別にお金が欲しいがために演説をしていたわけでは(おそらく)ありません。
キング牧師たちが欲しかったのは、人種に関係なく皆が平等に持っていて良い「自由」と「権利」です。
つまり、ここでいう「小切手を現金に換える」とは、「「自由」と「権利」をもらいきた」と言い換えることができます。
比喩表現の正確な理解には多くの時間が要するので、まずは上記の①から③を意識して Reading を行うと良いと思います。


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