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英語 Q and A

このブログは英語学習に関するさまざま質問とそれに対する私独自の回答を収めるために開設されたものです。 英語に関する悩みを少しでも減らし、実りある学修を続けていきましょう。 タイトルをクリックすれば閲覧できます。

   

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英語に関する素朴な疑問(その2)

Q.11 Gunghoは「ガンホー」と読むのになぜ g が付くのですか?
Q.12 "This is what you get"(洋楽の歌詞で)を直訳しても理解できません。どういう意味ですか?
Q.13 海外の人に "What do you do?" とメッセージを送ると、「仕事は何ですか?」と訊いているつもりなのに、どうも返答が「(今日)何をするのか」と解釈された文が送られてきます。国際的には、後者の意味のほうが正しいのですか?
Q.14 これまで"What's up?" は「どうしたの?」という意味だと思っていましたが、「調子はどう?」という意味にも出会いました。2つの意味を持っているのでしょうか?
Q.15 英語には1つの単語に2以上の意味があるのはなぜですか?
Q.16 one of them は直訳すると「それらの中の1つ」と思うのですが、「その他大勢」という訳にもなるとどこかで見ました。どういう考え方から、「その他大勢」という訳になったのか、不思議で仕方ありません
Q.17
ティッシュボックスという言葉が通じませんでした。正確には何といえば通じたのでしょうか?
Q.18
英語にも日本語の関西弁のようななまり(方言)はありますか?
Q.19
なぜオーストラリア英語はなまっていると言われるのですか?
Q.20 develop / advance / progress の違いを教えてください。


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Q.11 Gunghoは「ガンホー」と読むのになぜ g が付くのですか?
英語には「黙字」とよばれる、書いてあるのに読まない文字、というものがあります。
たとえば、island(島)の s は読みませんし、write の w も読みません。
質問の g も黙字にあたります。
g の黙字でぱっと思い浮かぶのは、sign(サインをする)や fight といった単語でしょうか(fight は gh を読みませんが)。

質問にある語は固有名詞(人やモノの名前)ですので、その名前を付けた人にどういった意図があるのかはわかりませんが、読み方(発音の仕方)に関係しているかもしれません。
英語の n は、ふつう、「ン」と発音しますが、その次に g 音が続く場合、「ン(グ)」と発音することがあります。
このカッコが付いた「(グ)」は、はっきりとは発音しないが、「ン」の中に「グ」的な音が含まれている、ぐらいに考えておくと良いでしょう。
たとえば、Hong Kong(香港)も「ホングコング」とは発音しませんが、最後の g があることで「ホン(グ)コン(グ)」のように、気持ちとしては「(グ)」が入った音になります。
おそらく、質問にある語もそれと似た現象を示していると思われます。



Q.12 "This is what you get"(洋楽の歌詞で)を直訳しても理解できません。どういう意味ですか?
前後の文がないので正確にはわかりませんが、「これだよこれ!」といった意味でしょう。
直訳は「これがあなたが手に入れるべきものだ」です。
ここでの get を別の動詞、たとえば、take に変えると、「これがあなたが持って行くべきものだ」、すなわち「これを持ってきな」といった意味になります。
文脈次第ですが、たとえば、なぞかけをされて、その答えがわからない人に対してその答えを提示する際に、質問の英語が用いられるかもしれません。



Q.13 海外の人に "What do you do?" とメッセージを送ると、「仕事は何ですか?」と訊いているつもりなのに、どうも返答が「(今日)何をするのか」と解釈された文が送られてきます。国際的には、後者の意味のほうが正しいのですか?
なるほど、実に興味深いご質問ですね。
"What do you do?" は "What do you do for a living?"(生活のために普段はどんなことをしていますか)という意味であり、したがって、ご質問にあるとおり、 一般的には【職業や身分を尋ねる】表現です。
しかし、何の脈略もなく唐突に、"What do you do?" を使った場合、"Are you asking what is my job?" と聞き返されることがあります。
つまり、会話にはそれ相応の文脈が必要で、その文脈次第では違う解釈が発生するというわけです。
したがって、通例は【職業や身分を尋ねる】と考えておくと良いでしょう。

ただ、"What do you do?" というのは、どうも日本人以外の英語学習者にも間違われやすい表現のようで、海外の英文法書にはしばしば「この表現の解釈を間違えないように気をつけて!」といった但し書きがあります。
どんな文脈で、そして、どんな相手と英語を交わしているのかも考慮する必要があるということですね(特に、グローバルと叫ばれている現代であればなおさら!)

なお、"What do you do?" に何かしらの単語を付与することで、その意味範囲を狭めることができます。
"What do you do for fun?" であれば【趣味】を尋ねていますし、"What do you do on Sundays?" であれば【休日の過ごし方】を尋ねていることになります。



Q.14  これまで"What's up?" は「どうしたの?」という意味だと思っていましたが、「調子はどう?」という意味にも出会いました。2つの意味を持っているのでしょうか?
回答の前に少しこの表現について考えてみましょう。

What は「何」、up は「(話題や問題が)あがっている」という意味ですから、それを合成して、「何か(話題や問題が)あがっている?」がこの表現の直訳となります。
困った顔をしている人に What's up? と言えば、
「何か問題がありましたか?」→「どうかしましたか?」→(くだけて)「どうしたの?」
となります。

一方、学校の教室で会った友達に What's up? と言えば、
「(最近)何か最近問題や話題があった?」→「そういうのがあったら教えてよ」→「調子どう?」
となります。

日本語をよくよく考えなおしてみると、この「調子どう?」に対する返答は、「まぁまぁだよ」のような場合と、「いやぁ昨日のバイト大変でさぁ」のような場合があると思います。
前者は「話題や問題は特にないよ」と回答しているのと同義であり、後者は「ある話題があるから聞いてよ」と回答しているのと同義であるといえます。
英語では、友達や知人からの電話を取る際に What's up? を言うことがありますが、これは「電話をかけてきたのであるから何か話題や問題があるのだろう」という考えから選ばれたものだといえます。

長くなりましたが、この質問への回答としては、〈2つの意味がある〉と考えるより〈ある中核的な意味が状況によって少し変動する〉と考えたほうが良いでしょう。

この発想は言語学習にはとても大事なことで、訳語が違うからといって、必ずしも新たな別の意味が出てきたというわけではありません
『また覚えるのかぁ』とため息をつく前に、少しその表現について考えてみるだけで、単なる無味乾燥な暗記はぐっと減るかと思います。



Q.15 英語には1つの単語に2以上の意味があるのはなぜですか?
語学的な証明は難しいですが、最低限言えることは3つあります。
※1つのコトバに複数の意味があることを「多義的」といいますので、以下その用語を使います。

①言語問わず、1つのコトバに複数の意味があることはよくある。複数意味をもつことを「多義的」という
②基本語彙は「多義的」になりやすい
③アルファベットという「表音文字」のみを用いた言語である

まず①ですが、日常的にある言語(特に、母語)を使用しているとあまり気がつかないことですが、1つのコトバがもつ複数の意味を状況・場面によって使い分けています。
たとえば、日本語で「サカナ」といった場合、私の直観では以下の3つの意味があります。

(a) 昨日のサカナは美味しかったね。
(b) これは酒の良いサカナになるぞ。
(c) 私の失敗談をサカナにして盛り上がった。

(a)の「サカナ」は、単に魚類を指しています。
一方(b)の「サカナ」は、お酒などとともに食べる「つまみ」を意味しています。
さらに、(c)の「サカナ」は「話題」(ネタ)の意味合いで用いられています。
(a)の「サカナ」は「魚」と表記し、(b)と(c)の「サカナ」は(おそらく)「肴」と表記して、両者の意味が異なることをわかるようにしています。
このような例は無数にあり、言語を問わず、コトバは「多義的」になります。

「コトバは「多義的」になる」といっても、すべてのコトバが多義的になるわけではありません。
そこで②の出番です。
少し調べるとわかりますが、基本語彙ほど「多義的」になる傾向があります
基本語彙はその名の通り、日常でよく使用する単語ですから、長い年月が経つにつれ、その言語の使用者は、一つの意味では飽き足らず、別の意味を与えようとします。
現代日本語でいえば、「ヤバい」が、①「良くない」という意味と②「とても良い」という意味に多義化しているのがまさにその例です(e.g.「このケーキ超ヤバいんだけど!」)。

次に③ですが、先の例で(a)の「サカナ」は「魚」と、(b)と(c)の「サカナ」は「肴」と表記すると書きましたが、これは日本語だからできる芸当です。
日本語は、表音文字(単に音だけを示す文字)と呼ばれる「ひらがな・カタカナ」と、表意文字(音プラス意味を示す文字)と呼ばれる「漢字」を絶妙なバランスで使い分ける言語です。一方、英語は表音文字の「アルファベット」しかありません。
もし日本語がひらがなとカタカナしかなければ、先の(a)~(c)の例のように、見た目ではどの意味なのかわからなくなります(なので、わざとカタカナで書いてあります)。
英語に「多義的」な単語が多いと感じるのは、ある種、英語に「漢字」的な表記方法がないからです(逆をいえば、我々が日本語という言語に慣れすぎているともいえますが)。

あともう一つ、④英語には日本語のような多様な「活用形」がないということもいえますが、説明が長くなってしまうので、この点については触れないことにします。


Q.16 one of them は直訳すると「それらの中の1つ」と思うのですが、「その他大勢」という訳にもなるとどこかで見ました。どういう考え方から、「その他大勢」という訳になったのか、不思議で仕方ありません
なるほど、なかなか面白い質問ですね。
one of them には確かに2種類の解釈がありますが、それは one を強く意識するかthem を強く意識するかによります。
one を意識する場合は、「彼ら(彼女ら)の1人」or「それらの1つ」といったように「1」の意味が強調されます。
一方、them を強く意識する場合は、「その他大勢」といったように「複数」の意味が強調されます。
たとえば、次の(a)と(b)のような場合は one が、(c)のような場合は them が強く意識されていると言えます。

(a) I got a call from one of them.
(b) One of them is blue, another is yellow and a third is red.
(c) Today, I was laid off. I was, after all, one of them.
(今日、解雇されちゃった。結局、私もその他大勢(と同じ)だったのね)



Q.17 ティッシュボックスという言葉が通じませんでした。正確には何といえば通じたのでしょうか?
こういったものこそ英語母語話者に聞けば、正確な言い方を教えてくれると思います(ティッシュ箱の絵や写真を見せて、What do you call this in English? と尋ねれば答えてくれるでしょう)。

記憶が曖昧なので話半分で聞いてほしいですが、私は a tissue paper boxやa box of tissue、さらには、Kleenex(ティッシュのメーカー名)などを使って通じていたような気がします。
海外では、最後の例のように、メーカー名で言うこともしばしばあり、たとえばコピーをすることを Xerox と言ったりもします。



Q.18 英語にも日本語の関西弁のようななまり(方言)はありますか?
Q.19 なぜオーストラリア英語はなまっていると言われるのですか?
なまり(方言)に関する質問がちょうど2つありましたので、まとめさせていただきました(以下、「方言」で統一します)。
まず、私は方言の研究を専門としているわけではありませんので、以下の回答はごく一般的に言われていることだと解釈してください。

まず、「方言」について少しおさらいしておきましょう。
「方言」をごく簡単に定義すれば、その言語の標準とされている音や語彙、文法などとは少し違った、しかし容認可能な変種、ということになります。

日本語を例に挙げますと、「すごくおいしい」が標準とされる言葉づかいで、「めっちゃおいしい」がその標準から外された、でも容認可能な言葉づかい(すなわち、関西弁)ということになります。
国として定めた標準語が '国語' であり、それが学校などで教育されます。したがって、関西弁を話す人でも必ず標準語を習い、公的な場面や文章ではそれを使用することが求められます。
要するに、「方言」をより簡潔にいえば、「標準語とは少し違う、でも通じる言葉」ということになります。

話を英語に戻しましょう。
英語にも方言はあります。
ただ、英語発祥の国、イギリスではその議論に決着が付いているわけではなく、王室や上流階級(かつての貴族)が使う英語を標準語と考える人と国民一般が話す英語を標準語と考える人がいます。

数の上では後者が圧倒的ですが、それゆえに '崩れている' と考える人もいて、結論付けるのは難しいところではありますが、そういった小難しい議論は置いておいたとして、一般には「イングランド(ロンドン)で使用される英語」が標準語とされるそうです(日本で言えば、東京で使用される日本語が標準語と判断されるのと同じと思ってよいでしょう)。
したがって、イングランドではない、ウェールズやスコットランドなどの英語は「方言」、すなわち訛りのある英語だとされます。
このように定義すると、イングランド英語ではないものは全て訛りのある英語となり、オーストラリア英語も(イギリス人にとっては)訛りのある英語と判断されることになります。

では、アメリカ英語やカナダ英語はどうなるのでしょうか。
アメリカの人(少なくとも、ニューヨーカーなど)は、自分たちが使う英語がイギリス(イングランド)の英語とは違うことはわかっていますが、それを訛っているとは思っていません。むしろ、イギリス英語のほうがおかしいと言う人もいます。
これは、本来訛りであったはずのアメリカ英語が、その政治的・経済的、そして世界的な影響力により、ある種の '市民権' を得たためです(かつては「アメリカ人はなんて野蛮な(汚い)英語を使うのだ」と苦言を呈するイギリス人が多くいましたし、アメリカ人の中には自分たちの英語を '教養のない英語' だと恥じる人もいました)。

アメリカ英語は一つの確固たる地位を手に入れたので、そこで話される英語を「方言」とはもはや言いません。しかし、アメリカ国内においては「方言」が多くあります。
(先に付け加えますが、アメリカは人種のるつぼであるため、何を標準英語とするかはイギリス以上に難しいといえます)

一般には、ワシントンやニューヨーク、またはメディアで使用される英語が標準とされ、それに外れるものが訛りのある英語だと判断されます(たとえば、南部地方の英語)。
アメリカ英語と似たカナダ英語は、アメリカ人(少なくとも標準アメリカ英語を使う人)にとっては訛りのある英語だと感じるようですが、カナダ人はそれを訛りのある英語だとは思っていませんし、バンクーバーやトロントのような大都市における英語はアメリカ英語とかなり近いといえます(距離的にもアメリカに近く、NBAやNHLがあるのも大きいかと思います)。
これは先ほどの、イギリス人とは少し違う英語を使うアメリカ人が自分たちの英語を訛りのある英語だと思っていないのと同じです。

と大分話が長くなりましたが、結論を言えば、「方言(訛り)」は何を標準(基準)とするかで大きく変わるということです。



Q.20 develop / advance / progress の違いを教えてください
似たような違う意味を表す語を「類語」といいます。
日本においてさえ、たとえば「関係性」と「関連性」のように、その違いがよくわからないものがあります。英語ならなおさらでしょう。
類語の違いを調べたいときは、辞書を使います。
わたしがよく使うもう1つの辞書、『ジーニアス英和辞典(第5版)』では、上記3つの違いを以下のように説明しています(たまたまではありますが、質問と同じ順に説明が書かれていました)。

develop 項参照
※例文にもしっかり目を通そう!

わたしは辞書の仕事もしますが、日本の「英和辞典」は非常に読者のことを想って作られていて、かゆいところに手が届く仕様になっています。
何と言いますか、読者が気になる(不思議に思う)であろうことを先読みして情報を記載しているといった感じです。今回の3つの類語はまさにそのことがわかる好例です。

わたしは高校生の頃、辞書をほとんど使ったことがありませんでした。字は小さいし重いし引くのに時間はかかるし、「こんなの毎回の授業に持ってきて意味あるの?」と思っていました。今だったら「スマホ(ネット)でいいじゃん」って思うかもしれませんね。
しかし、しっかりとした英語力を身につけようと思うと辞書は欠かせません。
もしみなさんも、先生たち「辞書を使いなさい」と言われながらも、辞書の有用性を実感したことがないのであれば、辞書をしっかり使ったことがないのかもしれません。
そのようなときは、今回のように、「気になる単語(類語)があったらとりあえず調べてみるか」ぐらいの気持ちで辞書を引いてみるのが良いと思います。


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「英語に関する素朴な疑問(その1)」はこちら
「英語に関する素朴な疑問(その3)」はこちら
「英語に関する素朴な疑問(その4)」はこちら


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