忍者ブログ

英語 Q and A

このブログは英語学習に関するさまざま質問とそれに対する私独自の回答を収めるために開設されたものです。 英語に関する悩みを少しでも減らし、実りある学修を続けていきましょう。 タイトルをクリックすれば閲覧できます。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

英語に関する素朴な疑問(その3)

Q.21 文法的に正しいはずの文章にときどきバツが付いたり、このような使い方をしないというコメントをもらうことがあります。単語も文法もそれなりに学習してきたのですが、まだ何か足りないのでしょうか?
Q.22 よく日本人の「ジャパニーズイングリッシュ」は通じないと言われますが、たまにテレビでその「ジャパニーズイングリッシュ」を使ってある程度通じているシーンを目にします。結局のところ、「ジャパニーズイングリッシュ」は通じるのでしょうか?
Q.23 日本語にあって英語にない文法はなんですか(敬語を除く)
Q.24「子どもの頃、日本に住んでいた経験がある」(単なる過去表現ではなく)と伝えたい場合には、どのように表現すれば良いのでしょうか?
Q.25「電車の中」を英語では、'in the train' ではなく 'on the train' というとかつて習ったことがあるのですが、先日、He left his umbrella in the train. という英語を見ました。これはどういうことでしょうか?
Q.26 例文の -s を訳さないことがありますが、訳さなくても良いのですか?
Q.27
洋画を英語音声・英語字幕で見ることがあるのですが、音声と字幕がまったく違うことが多々あります。その場合、どちらを意識して見れば良いでしょうか?
Q.28
『ヴィンテージ』や『フォレスト』、『ネクストステージ』などさまざまな学習参考書がありますが、どれを使ったほうが良いですか?
Q.29
子どもに英語を教える機会があるのですが、あまり自分の英語力に自信がありません。まずは何を勉強すれば良いでしょうか?
Q.30 I work for ... と I am working for ... の違いは何ですか。日本語にするとどちらも「わたしは仕事をしています」となるので、その違いがわかりません。


拍手[2回]


Q.21 文法的に正しいはずの文章にときどきバツが付いたり、このような使い方をしないというコメントをもらうことがあります。単語も文法もそれなりに学習してきたのですが、まだ何か足りないのでしょうか?
言語を使うには、「単語」と「文法」の知識だけでなく、「単語と単語の習慣的な結びつき」の知識も必要です。単語と単語の習慣的な結びつきのことを英語で「コロケーション collocation」といいます。

例を挙げますと、日本語では「激しい雨」を「強い雨」ということもできますが、英語の場合、後者を英語にした strong rain は、意味は通じるでしょうが、おかしな表現となります(heavy rain とはいえます)。
つまり、日本語の場合「激しい」と「雨」の結びつき、さらには「強い」と「雨」の結びつきに何ら問題がありませんが、英語の場合 strong と rain の結びつきには問題があります。このことを知らないと【通じるけど変な英語】を産出してしまうことになります。

他にも、「スピーチをする」を英語で言おうとして、「する」に釣られて do a speech と言ってしまうケースがあります(正しくは make a speech)。

この「コロケーション」が難しい原因は、①言語間によって感覚が(大分)違うという点②なぜそのような結びつきをするのかわからないという点にあります。

日本語を使うものとしての感覚では、「帽子はかぶる」ものですが、英語では「かぶる」に相当する単語がないので、「衣類全般を身につける」ことを表す wear や put on で表現します。
したがって、単語をただ覚えて文法規則に則って並べるだけでは、正確な表現には一歩、二歩届かないことになります。

この「コロケーション」は長く学習していても漏れが必ず出てきますので、長く付き合っていくしかない問題だと思います。ただ、日常的に(映画やアニメなどを視聴するのでも良し)英語に触れていたり、日本人が間違えやすいコロケーション集が載っている書籍などを購入して学ぶ方法もあります。



Q.22 よく日本人の「ジャパニーズイングリッシュ」は通じないと言われますが、たまにテレビでその「ジャパニーズイングリッシュ」を使ってある程度通じているシーンを目にします。結局のところ、「ジャパニーズイングリッシュ」は通じるのでしょうか?
何をもって「通じる」とするのかによって答えは変わると思います。
たとえば、今この瞬間に「自由の女神」のつもりで「フリーヴィーナス」と言っても通じることはないでしょう。
しかし、ニューヨーク・マンハッタンにて、ジェスチャーを交えながら、「フリーヴィーナス!ソービッグ!ベリービューティフルウーマン!」(Free Venus! So big! Very beautiful woman!)と言えば、通じる可能性は高まります。

これで良いのならこれで良いですが、これは目指すべき英語力ではないでしょう。

また、これは「ジャパニーズイングリッシュ」ではありません。
本当の意味での「ジャパニーズイングリッシュ」とは、「日本語の発音や文法、さらには日本語的な言い回しを英語にも誤用してしまっている英語」のことを指します。

〈発音の例:like〉
→「ライク」ではなく、「ライ(ク)」のように「ク」は言わないぐらいが正しい

〈文法の例:I yesterday tennis played(私は昨日テニスをした)〉
→ 日本語の語順のままになっている

〈言い回しの例:おとといきやがれ!(Come the day before yesterday! 〉
→ Don't come here again! ぐらいが同じ意味

日本人であれば日本語が英語にも間違って応用されてしまうのはある種致し方ありません。
したがって、英語初・中級者はこれらにあまり恥じる必要はありません。
といってそのままでも良くありませんから、徐々に英語らしい発音や表現に切り替えていくのが良いでしょう。



Q.23 日本語にあって英語にない文法はなんですか(敬語を除く)
それではいくつかを紹介します。

①「自発」を表す「れる・られる」
例:思い出す→思い出される

日本語の「れる・られる」は外国の人にとってはなかなか難しいようで、我々は自然と使いこなしていますが、「自ずと何かが起きる」ことを表す際、「自発」と呼ばれる「れる、られる」を使用します。
上記の「自発」以外にも、「受身」(笑われる)、「可能」(覚えられる)、そして「尊敬」(○○さんが来られました)があります。
たとえば、'話される' 場合、「受身」なのか「尊敬」なのかわからない、といった問題がしばしば起きるようです。
私たちの感覚では、'話される' は「尊敬」の意味で取るのが普通で、もし「受身」の意味で伝えたいのであれば、'話しかけられる' と少し表現を変えることでしょう。
こういったことも外国の方には理解しづらいそうです。

②名詞の後や文末に付ける「助詞」(が、に、を、ね、等々)
例:(私が)彼買ったよ

英語の場合、I bought him a book, right? となり、「に」や「を」にあたる表現が英語にはありません。
語尾の right? が日本語の「ね」に対応しているように、いくつかは英語に対応する表現もありますし、少し表現を変えれば、英語にも「に」に対応する表現は出てきます(I bought a present for him.)。
しかし、日本語は(特殊な場合を除き)名詞の前に「助詞」が必ず付きますが、英語は表現によって違いが出てくるので、これも日本語と英語の大きな違いの1つといえます。

③「くれる」語尾
例:彼が私に本を買ってくれた

これを英語でいう場合、He bought me a book. ないしは He bought a book for me. となり、「くれる(くれた)」に対応する表現はありません。
日本語では、「感謝」の意や誰かにその事実を伝える際に、「くれる」という語尾を付ける傾向がありますが、英語にはこのような表現はありません。

以上、3つ紹介しましたが、ご自身でも調べてみると、日本語と英語の(面白い)違いが見つかるかもしれませんよ。



Q.24「子どもの頃、日本に住んでいた経験がある」(単なる過去表現ではなく)と伝えたい場合には、どのように表現すれば良いのでしょうか?
質問そのものに差があるわけではありませんが、これは良い質問ですね。
と言いますのも(若干話が逸れますが)、『○○って何て表現すれば良いんだろう』という想いは外国語学習には必要不可欠です。
「ある表現を習って、はい終わり。」ではなく、『ではこういう場合はどうすれば?』、『なぜこの言い方はできないの?』と疑問に持つことで、自ずと力(特に、話す・書くの能力)が付いてきます。
極端な言い方をすれば、そういった気持ちを継続して持ち続け、それらを一つ一つクリアーしていけば、言えない表現はなくなっていきます
このような気持ち(想い)は今後も持ち続けてほしいと思います。

では、本題に戻りましょう。
復習ですが、「子どもの頃、日本に住んでいたことがある」を英語で表現する場合、(a)が正しく(b)は正しくありません。
「過去の話は過去形で」という単純な解答なわけですが、「ことがある=現在完了」という発想をしていると(b)を選んでしまうので気をつけてね、という話でしたね。

(a)I lived in Tokyo when I was a child.
(b)I have lived in Tokyo when I was a child.

しかし、(a)は正確には「子どもの頃、東京に住んでいた」という過去の事実を述べているだけなので、〈経験〉らしき意味合いにはなりません。だからこそ、今回の質問にあるような疑問が出てきたのでしょう。
結論としましては、以下の3つが回答となります。

①違和感を覚える気持ちはわかるが、(a)のままで十分〈過去の経験〉は伝えられるので、このまま何もしない

②「過去完了」を使う
例)I had lived in Tokyo when I was a child.

③〈過去の経験〉を強調する「used to(昔は~だった)」を使う
例)I used to live in Tokyo when I was a child.
  ※ used to ~ の後の動詞は原形

「子どもの頃、日本に住んでいたことがある」という日本語は、昔のことを思い出し、ある種懐かしさを込めて述べている、つまり、回想しながら話している感じの表現かと思います。
その意味においては、今回の質問に対する最も適切な回答は③になるかと思います。



Q.25 「電車の中」を英語では、'in the train' ではなく 'on the train' というとかつて習ったことがあるのですが、先日、He left his umbrella in the train. という英語を見ました。これはどういうことでしょうか?
単に「電車の中」をいいたいのであれば on the train を使い、空間としての電車を強調していいたいのであれば in the train を使います。
質問の場合、傘を置き忘れた「場所(空間)」が意識されているため、in the train のほうが選ばれているのでしょう。
また、「イギリス」では on the train ではなく、in the train が好まれますので、上記の英語はイギリスの人が言った(書いた)可能性もありますね。



Q.26 例文の -s を訳さないことがありますが、訳さなくても良いのですか?
英語において「-s」は二種類あり、動詞に付く場合(e.g. like → likes)と名詞に付く場合(book → books)があります。
前者の場合、訳す必要はありません(というより、訳すことができません)が、後者の場合、訳さないことのほうが多いです。
例えば、There are two books on the table. の場合、「テーブルの上に本が2冊ある」とするのが普通で、「テーブルの上に本が2冊ある」とするのはおかしな日本語です。
日本語の場合、「2」という数字(正確には数詞)があるために自然とその名詞が複数であることがわかるため、複数を示す「ら」を付ける必要がないということになります。
しかし、この考え方は日本語による考え方であって、言語が変われば考え方も変わります
英語の場合、「two」という数字(or 数詞)があってもなくても、複数であることをしっかりと示さなくてはいけません。
『メンドクサイ』と言ってしまえばそこまでですが、こういった言語間の考え方・捉え方の違いを吸収していくのも外国語学習の魅力です(翻訳機などを使っては味わえない醍醐味です)。

余談ですが、外国語を学習しているとしょっちゅう「メンドクサイ」ことに出会います。
過去形の -ed を覚えたと思ったら不規則形があることを知らされたり、not を付けると否定になることを習ったかと思えば一般動詞では do を使わなければいけないと新たなルールが出てきたりなど、事あるごとにやる気が削がれていきます
ただ、そういった「メンドクサイ」ことを広く寛容できる精神は、外国語学習だけでなく、社会を生きていくうえでも、そして世界中の人と交流していくうえでも、必要な要素の一つだと思います。



Q.27 洋画を英語音声・英語字幕で見ることがあるのですが、音声と字幕がまったく違うことが多々あります。その場合、どちらを意識して見れば良いでしょうか?
翻訳技術のための本や、翻訳家が翻訳のテクニックなどを紹介する本などを読む限り、英語字幕は次のどちらかのケースがほとんどです。

パターン A 字幕:台本をそのまま映す
パターン B 字幕:実際の音声を文字におこす

そして、実際の音声と字幕がズレるのは、パターン A の場合です。
俳優の方々は、台本にセリフが書かれていても、それを一語一句そのまま言うのではなく、ときよりアドリブを交えて、オリジナルのセリフを言うことがあります。
そうなりますと、台本とは少し(ときに大きく)違ったセリフとなり、ズレが生じてしまうというわけです。
パターン B の場合、すべての音声をすべて聞き取り、文字に起こさないといけませんから、人も時間もお金もかかります。したがって、商業化して「元が取れる」と判断されない場合、パターン A が採用されることがあります。



Q.28『ヴィンテージ』や『フォレスト』、『ネクストステージ』などさまざまな学習参考書がありますが、どれを使ったほうが良いですか?
高校生までに知識であれば、究極的にどれでも良いです。
上記の参考書はどれも比較的わかりやすく書いてあると思いますし、高校終了までに学習する内容は世の中の英語の9割はカバーしていますから(語彙や特殊な表現は除く)、専門的な知識をつけたい場合を除いて、最終的には好みの問題かと思います。
問題なのはちゃんと読み込んでいるか否かです。
どんな良いものでもそれを使えるかどうかは使い手次第ですから、どの参考書でもまずはその内容をしっかり把握するようにすると良いでしょう。



Q.29 子どもに英語を教える機会があるのですが、あまり自分の英語力に自信がありません。まずは何を勉強すれば良いでしょうか?
「小学校で教える」ということに特化していえば、まず先生としてやるべきことは「発音」の向上だと思います。
そもそも小学校の先生になろうと考える人は、元々は英語の授業は小学校になかったわけですから、中高の先生よりも英語力が低いのは当然です。
その小学校の先生に英語のあらゆる技能を今から身につけよ、といってもなかなか酷なものがあります。
しかも、世の中で「まともに英語をやってきていない小学校の先生に英語を教えさせていいのか」といったことが広く言われているため、小学校の先生に対する親の目もかなり厳しくなっています。
良い言い方ではありませんが、そういった(あまり英語のできない)保護者を安心させるには自身の英語発音をよくするのが一番です。
ある実験で、①内容は無茶苦茶だが発音はきれいな先生と、②内容は理路整然としているが発音がカタカナ英語の先生を見せて、どちらの先生に子どもを教えてほしいですかと尋ねたところ、圧倒的に①を選ぶ保護者が多く、その理由も「発音がきれいだから」がほとんどだったそうです。
これはつまり、(批判しているわけではありませんが)少なくとも日本にいる子供をもつ親は、その先生の英語力を「発音」で評価する傾向にあるということです。
(英語があまりできないため、英語を聞いても内容がわからないので、そもそも②を正しく評価できないとその調査は報告していました)
また、小さい子は「音」に対して非常に敏感であることがわかっています。
よって、先生がもし変な発音をしていたらそれに影響されて悪い発音になってしまう恐れがあります(ただし、悪影響を受けないという研究も一部あります)。
しかも、発音は小難しいルールを覚える必要がなく、ひたすら練習すれば少しずつ良くなっていくので(といっても母語話者並みにはならないが)、英語を一から勉強し直す時間がないときにこそ効果的です。

ぜひ検討してみてください。



Q.30 I work for ... と I am working for ... の違いは何ですか。日本語にするとどちらも「わたしは仕事をしています」となるので、その違いがわかりません。
work は「現在形」、am working は「進行形」ですから、現在形と進行形の違いがわかれば問題解決になりますね。
現在形というのは、恒常的な習慣や状況、状態を表します。
① I work for Google.(グーグルで働いています)
② Summer in Japan is very hot.(日本の夏はとても暑い)
③ She belongs to tennis club.(彼女はテニス部に所属しています)

一方で、進行形というのは、ある限られた期間における習慣や状況、状態を表します。
④ I am working for Google last few years.(ここ数年はグーグルで働いています)
⑤ I'm thinking of a trip to Europe.(ヨーロッパへ旅行に行こうと考えています)
⑥ She is resembling her mother more and more.(彼女は最近ますます母親に似てきた)
④~⑥はすべてここ数年のことや今だけのこと、最近のことをそれぞれ述べています。
これが現在形と進行形の違いです。

よく進行形の日本語訳として「~ている」があてられますが、①や③を見てわかるように、現在形でも「~ている」が使われることがあります。よって、ある表現の違いを真の理解するためには、赤字・青字で書いてあるような働きをしっかり理解する必要があります。
誤解を恐れずにいえば、日本語訳はおまけ、あるいは補助程度に考えておくぐらいが良いと思います。


--------------------------------
「英語に関する素朴な疑問(その1)」はこちら
「英語に関する素朴な疑問(その2)」はこちら
「英語に関する素朴な疑問(その4)」はこちら


PR
Copyright ©  -- 英語 Q and A --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]